2017.9.30 

ニューハイパーフォース3000DXXG S スットブレーキタイプ実釣リポート
 
数日前に届いたニューハイパーフォースを城ヶ島にて試してみた。
 
ポイントは最近通っているひな壇だ。
 
さて本日のタックルだが最初はBBXスペシャルの1号、後半はファイヤーブラッドダイブマスター1.5号にてニューハイパーフォースを装着してみた。
 
先ずはBBXスペシャル1号からだ。
 
そして細ハリス1.2号にてスタートだ。     
 
キャストでの糸出は他機種と変わりないがダイワ機よりグリップからスプールまでの距離が短く、サミング時の指添えが近い分、力加減がつけやすいのでサミングコントロールがしやすく、指が短い方や指力の弱い方にも楽なサミングのオペレーションが可能だ。
 
仕掛け回収では一巻き107cmとハイギアなだけに回収スピードはピカイチである。
 
更に回収時のハンドルはとても滑らかである。
惰性巻きに感しても、ウキが目の前に来る頃を見計らってハンドルから手を離し、惰性で巻いている間に仕掛けを掴み取る体制に入りやすく、慣れてくれば力加減で巻き取り量を調整出来るほどである。
 
スットブレーキに関しては40cmほどのバリを掛けた時に試してみた。
ブレがほとんど感じられず前作のハイパーフォースのノーマルブレーキでは味わえないブレの無い静かな逆転と言う印象である。
 
また逆転量と巻き取り量が違い、糸を出す際、糸放出量が指のオンオフで微妙に微調整出きるのでロッドをコントロールする分だけ出せるという感じだ。
 
今までのレバーブレーキでの逆転の認識では、ロッドを伸されてから立て直すと言う事が本来の役割であったが、この微調整が可能になったことで、常にロッドの特性を最大限に生かしたやり取りが瞬時に可能になった。
例えば逆転時にハンドルが回らないだけに魚に振動が伝わらず、魚が動かないまま、ロッドを立て直せるほどなのだ。
これは正に革新的な機能であり、レバー逆転時を用いたロッドマネージメントの範囲が広かった機種である。
 
今まで使っていたダイワのトーナメン3000SHLBDに搭載されているワンウェイオシレーション(逆転時ローターが上下しない)と比較してもブレ感は少なく手慣れ感は逆転していることを忘れるくらいの静かさだ。
 
軽量化としては、ハンドルノブが空洞化され、ハンドル、ローターにはcl4+が採用されているが、これはギアの複雑化による増メタル分による重量を軽減するためであるようだが、正直このcl4+素材のチープ感は否めない。
 
次にファイヤーブラッドへ装着しての感想だ。
ハリスは1.5号に変更した。
 
ロッドとのバランス感は両ロッド共に良い感じである。
 
しかし、ここで40cmクラスとのやり取りで弱点を感じてしまうことになる。
 
寄せるまではBBXの1号のよりは早いのだが、ロッドが1.5号とバッドの張りが強いため、ある程度の逆転レバーブレーキを多用しなくても寄せることは出来るのだが、足元まで寄せた時は逆転はできないので強引な矯めからの浮かせる作業となる。
 
しかし、ここからハンドルが動かないのである。
 
一気にハンドルが硬くなり巻き取りが出来ない程なのだ。
 
足元まで寄せたが、ロッド1本弱ほどのオーバーハングがあり、ここからはロッドを立ててのポンピングはしたくは無いのだが、なかなか浮かせられないので多少のポンピングをしながら浮かせるしかないのである。
なので仕方なくロッドを寝かせながらの小さなポンピングにて浮かせることを選択せざる得ない。
 
この時のロッドのパワーとハリスの強度を考慮した仕掛け作りをしたつもりだが、浮かせる際に強い矯めをしながらポンピングしたからか、針が伸されてバラしてしまった。
 
そう、弱点とはゴリ巻きは不向きで、巻き取りパワーが弱いのだ。
 
前回、同サイズをハイパーフォース3000TYPE-GやトーナメントSH LBDにて取り込んだ時は、足元で、ある程度のゴリ巻きをした際に難なくこなせたのだが、このニューハイパーフォースでは矯めるのが精一杯で、弱るまで矯めるか、ポンピングにて浮かせるかになってしまう。
 
こんな時のTYPE- Gやトーナメントでは、ロッドが海面に平行であってもゴリ巻きして浮かせる事が可能であった。
しかし、ニューハイパーフォースでは矯めることが精一杯であった。
 
個人的な力量差もあるかも知れないが、正直良型オナガなどの最後の突っ込みをするので、多少、不安を否めないのも事実だ。
 
ハイギアであるだけにここが大きな弱点だと思う。
 
比較としてダイワのトーナメント3000SHLBDのハイギアタイプとでは倍近い価格の差があり比較対象ではないのだが、ハイギア機のパワーはダイワが勝ると思う。
 
釣趣にもよるのだろうが、私のような未熟釣り師には、浮かせるまでのテクニックをもう少し練習してから扱う必要があるようだ。
 
また、良型を取り込むことを考慮した場合、トータルなタックルの組み立てが必要であろう。
 
メンテナンスはとても簡単で、ドラグを閉めて、水シャワー洗浄して拭き取るだけである。
 
総評:
スットブレーキでのやり取りでは瞬時の作業で、微妙な糸出しが出来、釣り人に優位性を与えてくれる。
 
滑らかさは抜群であり惰性巻きも特筆すべき性能である。
 
仕掛け回収がとても早く出来る。
グリップからローターまでの距離が短くサミングやオープンベイルの際の指当てなどの作業が安易である。
 
ハイギアなだけに巻き取りパワーは弱い。
 
素材感はややチープな印象だ。
 
今後はダイワ機のワンウェイオシレーションの機能も取り入れれば、最強機種になることだろう。