BB-X MZII

2016年にリニューアルされ、このロッドの特徴は記号にあるように『M』メンディング 『Z』ズーム、そして細身のロッドと言うところだろう。

先ずは『M』と『Z』についてだが、メンディングではズームインのショートレンジなら手首の振りでメンディングが出来るくらいメンディングに特化したモデルです。

ズームアウトのロングレンジでも仕掛けの置き換えは容易に出来る。
ショートレンジよりは手の振りはある程度必要になるが、練習次第では強風時の扱いにも安易にメンディングマネージメントが可能になる。

今まで『メンディングが苦手』『ロッド操作が上手く出来ない』『女性に扱えるロッドを探している』『これから磯を始めたい』などの悩みもこのロッドが解消してくれるはずです。

◆優れた先調子
食い渋る魚に張りもどしや送り込みの際の微調整するロッドワークに優れ、張ったラインから瞬時に穂先→手元に伝わりやすいロッド伝達に優れ、微小なアタリも柔らかな穂先きで喰わせ、先手を取れる『あわせ』が可能な仕上がり特性を持ち合わせる玄人から素人まで万人向けモデルでもあります。


◆細身設計
強風時のロッド操作が容易であり、細身のリールシートは手の小さな女性にも握りやすいのでワンハンドでのオープンベイルや、やり取りの際、人差し指でレバーを押さえてもリールシートが細いため握る力が分散し難い。

◆ズーム機能
例えばショートレンジで型の良い魚が掛かった時は瞬時にズームアウトしてロッド全体で『矯める』パワー(適度に固いのだが良型に合うように5番までの曲がりが特徴)を増すことでロッドの角度も維持出来る。

以前のズームではガタ付きが指摘させていたが今回のズームはシルキーズームと言う設計でアウトした時インした時の収まりが伸びきる手前や収める手前で油圧のような圧力が掛かりイン、アウトの状態が手に伝わり、やり取りの最中に繋ぎ目に目をやらなくても、インアウトが手元に伝わる。

そしてしっかり固定することができる。

また、4本半繋ぎでワンピースのような手応えを得られる。

◆ロッドバランス
持ち重りの少ない重量感で長い時間扱っていても腕が疲れ難いこと、ショートレンジなら軽く、風切りも良いのでロッドを自在に操れる。

また、穂先の軽量化で、エックスガイドが搭載されて糸絡みが軽減されている上、絡んでも一振りで絡みを解くことが安易になった。
この機能はまずめなどのローライト時ではとても重宝します。

キャスト時などの先ぶれが手元に戻らない先抜けバランスの良さも特筆もの。

◆欠点
ロッドが細くなった分、ブランクスの傷は後のリスクになりやすい点と4本半繋ぎで138cmと長くなったので長めのロッドケースが必要になる。

他社のロッドでは開発費用の関係もあるのだろうか色々な釣り人の条件から創るというコンセプトでは作りきれていないようだ。

シマノの商品開発に費やすコストは他社より群を抜いているからこそ出来たロッドという事みたいだ。

ここまでセグメントされた作り込みは、釣り人の用途を細部まで取り入れた仕上がりで、未だ他社の高いロッドにはない嗜好的なロッドと言って良い。

他社もこの程度の配慮と開発レベルが欲しいものです。

ファイヤーブラッド

この設計はシマノ名誉インストラクター江頭氏のプロデュースによる、正に『獲りに行く』ロッド設計だ。

先日江頭氏とお会いする機会があり、ファイヤーブラッドが出来るまでと扱い方についてお話しをいただいた。

氏の奢りない真摯な姿勢での説明に魅せられ『獲る』というこだわりを聞かせていただき、江頭氏の熱意を感じこのロッドを購入した次第だ。

肉厚で重厚な仕上がりではあるが手元まで曲がる『矯め』が良く、魚を怒らせないような仕様だ。

柔らかなタフテック穂先でアタリを取り強烈な突っ込みもバッドパワーでいなす『掛ける』『獲る』を両立させている。

◆肉厚設計
強靭な肉体に繊細な頭脳と言う言葉が適切だろうか、既存の胴調子に慣れてしまっているとファイヤーブラッドは、特殊なロッド設計であり、慣れないと扱い辛いロッドだ。

◆操作性
メンディング時では3番あたりまでを腕の延長のように扱うため腕の振りが大きくなる。
強風時などの悪条件でのメンディング作業には少し腕のパワーが必要だ。
 バッドバランスは悪くは無いが、太いことで風を受ける面積があるため、持ち重り感があり、長時間の釣行では腕の疲労は否めない。

◆獲る
正にこのロッドでのコンセプトは『獲る』にこだわったロッドであり、半島周りなどの小型の魚では釣り味が薄いのだが、本気で取りに行く釣り人には期待を裏切らないロッドだ。

◆欠点
持ち重り感あり。