良型をコントロールする

本アタリの後、あわせを入れる。
そして浮かせる。

経験を積んだ釣り人なら、良型でもここまでの流れはスムーズな動作でこなしています。

さて、このスムーズな流れについてですが、実は釣り人にとってスムーズに流れるには、隠れた技があるのです。

皆さんも簡単に40オーバーを取り込んだ経験がおありかと思います。
それは上図のようにグレをコントロール出来たからだと思います。

そのコントロールとは、海中のグレの動きを見られれば理解出来るのですが、水中カメラを入れなければ見れませんので難しいですね。

では、グレはどんな動きをしているのでしょうか。

先ずはあわせの後に瞬時に行う作業に大切な技があります。
それは身体がのけ反るようにロッドを大きく後ろへ傾けることです。

これでグレをあわせた位置から上に引き上げ上向きにグレの顔をこちらに向かせます。
また、このロッドの角度はロッドそのものの特性を100%引き出すことが出来ます。
つまり一石二鳥ですね。

この作業によりグレは上向きにこちらを向いていますので下にあるしもりや根は視覚から外れます。(上図A〜B)
グレの視覚に入るのは前方にある岩棚か足元オーバーハングになりますのでこちらへ向かって突っ込んで来ます。
この時リールにテンションが掛からなくなりますので針ハズレかと勘違いしますが、迷わず高速でテンションが掛かるまで巻きます。

足元まで寄ったら岩棚に入らないようにロッドを海面と平行に保ちグレに空気を吸わせるように浮かせます。

沖で浮いていればこのまま取り込みも可能です。

40オーバーをいとも簡単に取り込めたというのは、このようなコントロールが出来ていたからだと思います。

では良型で苦戦するケースですが、これは、あわせからの初動のロッド操作で決まってしまいます。 
つまりロッドを中途半端に立てただけで無駄なタメに入りますので、グレは向こうを向いたまま、または横向きになっているままの状況ですのでグレに先手を取られやすく、グレの視界には沈み根やしもりなど逃げ込める場所が入ります。

これではグレが、そちらへ潜ろうとするからやり取りも大変になってしまいます。

またグレの頭が向こうを向いたり横を向いたりですから力勝負になってしまいリスクが大きくなってしまいます。
この時のリスクとは、しもりや根に入られること、ロッドが伸されること、レバーオフの逆転で糸出ししている間グレに先手を取られこと、高切れを起こすことなどが考えられます。

良型を簡単に取り込む。
それは、釣り人がグレを巧みにコントロールしながら先手を取っているということなのです。