ラインマネージメント

 ラインメンディングについて

ラインには大きく分けて比重1.10〜1.14のナイロンライン・比重0.98-1.43のPEライン・比重1.78のフロロカーボンラインの3タイプがあります。

厳密にはもう少しセグメントできますが、磯釣りではこの3タイプで殆どの条件をまかなえます。

ナイロンラインは海面に浮くフロートタイプ、海面直下(30cm〜1m)を漂うゼロサスペンドタイプ、海面下1m位のサスペンドタイプがあります。

その場の条件や好みにもよりますが、私はサスペンド・海面直下漂うゼロサスペンド・セミフロートラインと高比重1.3のPEラインを多用します。

フロロカーボンラインはナイロンラインのサスペンドラインに変わり最近は殆ど使われていないようです。

フロロカーボンラインは、ルアーやエギングなどではまだ使われていますが磯ではあまり活用の場が少なくなって来ています。


風が強い日はサスペンドを用いますが、風速8 m/s ぐらいまでならゼロサスペンドやセミサスペンドで十分対応可能です。

また風が弱い日は最近店頭に出始めた比重1.05以上のPEラインを私は、好んで用います。

このPEラインは寿命が長くナイロンの数倍も長持ちしますので割高ですがナイロンラインを、何度も巻き替えることに比べればコストパーに優れるので替えスプールに一つ持っておくのも実際の節約効果があり便利です。

またPEラインは伸縮しないのでダイレクトなアタリが楽しめて釣趣が広がります。

ラインメンディングにおいて、環境の条件によっては各ラインが、全くマネージメント出来ない事もありますので、風や波を考慮してその場の条件に合わせたラインを用いることがラインメンディングには欠かせません。

2017年発売の磯専用PEラインには、硬い繊維エステルを混ぜ込んだラインが開発され、これは穂先絡みも少なく比重も1.3以上あるので、ビギナーでも運用しやすくなりました。

また糸も細く遠投・水切れは抜群です。


初級基本ラインメンディング

     基本技術     キャスト→サミングと同時にロッドを水面に下げ、風上に向けてロッドを傾け狙うポイントへ一直線上に置く。

強風時などは、この一連の作業を瞬時に行わなければ糸はふけてしまいます。

メンディングしないパターン、Aの図でキャスト時に糸がふけて膨らんだまま置いてしまうと道糸は風と左へ上滑りする潮に取られ、狙うポイントから仕掛けが外れてしまい、撒き餌と離れてしまい同調は殆ど出来ません。

Bのように糸がふけたぶんだけ(➡︎の範囲)頻繁に置き換える必要があります。
ただしこの置き換える時にウキを引っ張ってしまうと付け餌が棚で踊ってしまいますのでメンディングはあくまでもウキの手前までです。

この場合、ウキ止めを用いて棚で仕掛けが馴染んでいるならウキ止めよりもう少し手前までのラインを剥ぎ取るなど丁寧なメンディング作業が不可欠です。

キャスト時に糸ふけが出ていると頻繁にラインを置き換えしても狙うポイントには入り辛く、撒き餌さの流れる棚での同調が僅かな時間となります。
同調はなるべく長く流した方が釣れる確率は高いはずです。






カガミ潮を利用するメンディング

 磯に立つと時折見られのがカガミ潮です。
よく観察すると所々に現れています。

このカガミ状に沸いているような潮をメンディングの工夫をして利用する事も磯釣りの基本テクニックの一つです。

風と潮の関係にもよりますが図のような環境と仮定して説明いたします。

ロッドを立てて風に道糸をふけさせてカガミの潮を回り込むように引っ掛けます。

カガミ潮の湧く強さによりラインを置くポイントを見つけます。

この際仕掛けはあまり張らず風の力で張る感覚です。

更に、ウキが引っ張るままに流します。
ただしスプールを押さえた指先からパラパラ出るようなラインマネージメントではなく、道糸を片手で摘んで、先手先手と糸を送り出すことが必要です。

慣れるまでは、少し余分に糸を出すくらいがちょうど良いです。

また出し過ぎた糸はロッドの操作で袋張りをキープできますのでオープンベールを戻して巻き取るよりも、ロッド操作で対応して、あたりに集中することがチャンスを逃さないコツです。

これは、ロッドを真上に向け、故意に道糸を風にふけさせて袋状になった道糸をカガミ潮の周りに置くようにします。

この図の場合、カガミから右へ外れるまでか仕掛けが馴染みウキが止まるあたりまでが喰う機会です。

このカガミから脱落しかけた場合は、仕掛けの馴染みを見てから脱落手前あたりから張るぐらいの感覚です。

ウキは0や00では鏡潮周りで軽すぎて浮いてしまう場合がありますので最初はやや重めの仕掛けで練習すると良いでしょう。

しかし、仕掛けが重過ぎるとカガミ潮よりラインの張力が勝ってしまいますので、コースアウトして、撒き餌さとの同調が困難になります。

カガミ潮の強弱は潮と波の威力で変わりますが、何度かキャストすると掴めると思います。


慣れて来たらカガミ潮の特性を利用し、ガン玉を工夫したりナビを装着したり、下ウキを用い、軽い仕掛けで水面下を流したり、鏡周りの擦れを利用して、少し沈めながら誘うことも有効なので釣りの引き出しがグッと増えると思います。

風と潮の方向や、その強弱で、軽い仕掛けではラインマネージメントが出来ないこともあります。
特にサスペンド系のラインでは困難な場合があります。


イメージするラインマネージメントを行なう上で、現場でのライン選びが最も重要です。

また糸の出し幅や、ハリスの長さ、ガン玉の打つ箇所や二段ウキなどもメンディング作業のポイントですので色々なパターンを思考し実践するのが一番です。

棚が上層部ならわりと簡単に操作できますが、寒グレ期や棚が深い時などは適切なメンディングが出来れば、釣果は大きく左右します。

カガミ潮に引っ掛けるのも一つの方法ですが、風や潮の向きなど状況に応じて、刻一刻と変わる自然環境に合わせてライン選びをし、メンディングをおこなうのもテクニックの幅を広げるファクターです。

基本をマスターした上で、現場で色々と工夫してみるのも良いと思います。


とても簡単なメンディングですのでコツを掴むのは練習次第です。