2017.5
レバーリール比較

レバーリールが1978年に初めて登場したダイワのスポーツラインSS-LBは画期的な製品でした。
おおよそ40年の時を刻み、時の歩みと共に進化を遂げて来た事は言うまでもありません。
この頃のレバーブレーキの欠点とは、逆転時のブレ振動でした。
この欠点を初めて克服したのがダイワのトーナメントに搭載された軽量ローターとスプールが上下しないワンウェイオシレーションです。

これに続いてシマノのテクニウムスットブレーキモデルでは逆転時にハンドルが逆転しない画期的な製品もラインナップされています。
この2社による開発の共通点は軽量化と逆転時のブレ振動の抑制、そして簡易メンテナンスと言っても過言ではありません。

そして、この数年の間での非金属による軽量化でブレは大幅に軽減されて来ました。
また水洗い可能なメンテナンスの簡素化も目覚ましく、特筆すべき点だと思います。
しかし、このブレ振動をリール購入時に体感することが出来ないので、高価な買い物なのに最も体感したい事を体感出来ず購入しなければなりません。

そこで今回、下記4機種のリールを実釣にて、軽量感、ブレ振動等、使い勝手をimpressionしてみました。

●シマノハイパーフォース3000TYPE-G
ハンドリングの滑らかさ、回転の軽さはダイワでは味わえない軽快さだ。
ギア比は4.6とハイパワーのローギア上下仕様だ。

巻き上げ長こそ69cmだが、余裕あるパワーでロッドを、立てたままのやり取りも難なくこなす。
ゴリ巻きでのパワーと安定感は比較機種ではピカイチである。
軽量化されたローターではあるが上下動する事と、ハンドルもハイギアに比べ5mm長く、逆転時のブレはかなりきつい振動を伝えてくる。
また、逆転時に魚に与える振動も伝わりやすく、この点は要改良と言わざるをえないのだが、ゼロフケテンションをオフにする事で逆転時の初動負荷だけは多少軽減出来る。

重量が220gと軽量化されている分、ダイワ競技モデルと同様の自重なので繰り返しのメンディングも快適にこなせる。
取り回しに関しては快適そのものだ。
シマノ独自のハガネの剛性感は巻いた時のギア噛みをしっかり伝えて、気持ち良いハンドリングである。

しかし、視覚的だが素材感はチープなイメージが否めない、このCI4+は軽量素材であるが、プラスチックのように見えて硬性感も弱い印象だ。
ゼロフケテンションレバーによるオンオフが選択出来、ビギナーでも扱いやすいモデルである。

●ダイワトーナメント2500H-LBD
ローギアモデルでありながらギア比は6.2と巻き上げ長は91cmもある。
マグシールドを搭載し、ザイオン、カーボン、チタンを多用しクラス最軽量に成功したモデル。(競技モデルは除く)
オールラウンダーの位置付けのモデルではあるが適度なテンションに緻密なドラグ、逆転時のスプール上下動を無くしたワンウェイオシレーションなど軽量にして軽快でパワーもありブレ振動はかなり軽減されている。

リアにウェイトを置く事でロッド装着時の操作性にハンドリングバランスも向上している。
特に細めの5mクラスのロッドとの相性は比較機種ナンバーワンである。
メンディングやラインマネージメントを多用する釣り人にはとてもバランスの良いハンドリングが味わえる。
ハイパーフォースより自重はあるのだが疲労感は軽減されるから不思議だ。
正直300g近い重量のリール装着時で、荷重ロッドバランスが合わないと腕の疲労感は厳しい。
細身で持ちバランスの良いロッドとの組み合わせでなくとも、このリールはある程度上位モデルのロッドなら殆どマッチ出来る。

また、ロングの釣行などでは腕に疲労が溜まるので、軽くて持ちバランスが良いことも大切なファクターであり、このリールを用いたハンドリングは実釣に集中させてくれる。

さらにこの機能が充実した競技モデルはハイエンドに相応しいパフォーマンスである。
ただトーナメント機種でも逆転時の初動の重さは否めない。
逆転初動での軽さ滑らかさはハイパーフォースが比較機種ナンバーワンである。

●ダイワトーナメント3000SH-LBD
ハイギアモデル、ギア比は6.8と巻き上げ長は100cmと競技モデル108cmには叶わないが十分な巻き上げ量だ。
ハイギアにしてハイパワーの本流、オナガモデル機。
H-LBDと同様のパフォーマンスを有するがハンドルが1cmほど長く力勝負でも一躍を担うギアだ。
しかし、2500HLBDよりハンドルが長い分だけブレ振動はあるのだが、ワンウェイオシレーション、とザイオンハンドルを採用する事で金属ハンドルよりも振動は軽減されている。

ザイオン、カーボン、チタンと軽量化されている上、リアウェイトバランスも良く、巻き上げ量も十分で、ロッドとの相性もあるが、本流などで一日通して使っていても持ち重り感はない。
仕掛けを流す上で本流や遠投などのラインマネージメントをおこなう上で、強風やきつい表層流などのメンディングや腕力が必要なロッド操作でのラインマネージメントやメンディングと言ったハードな環境においても、難なくこなしてくれる上級モデルである。

選択したロッドバランスとの組み合わせこそあるが快適なオペレーションは、磯釣り師には欠かせ条件であり、必携なアイテムだ。

ただ2500H-LBD同様、ザイオンとカーボンを多用しているので素材は軽量な分、傷が入りやすく磯での扱いは注意が必要だ。

●ダイワのプレイソ2500H-LBD
ダイワレバーリール  ビギナー向け入門モデルの位置付けではあるが、マグシールドにザイオンなどコストパフォーマンスは高いレベルだ。
トーナメントと比較するにはあまりに価格差があるので一様に対象にはならないのだか、価格はトーナメントの半分以下でここまでの装備なら満足を得られる範囲に仕上がっていると思う。

逆転時ではスプールの上下動にハンドルの逆転、さらに自重が加わるだけにブレ振動は大きく、魚に与える振動は正直厳しい。

またメンディングを多用するには少し重量があり腕への負荷はかなり掛かる。

装備は充実しているが、機能的なパフォーマンスは多少物足りない印象だ。
重量は300gでロッド装着時の持ち重り感はかなりある。
短い時間の釣行や風が弱い時、波止などでの使用なら十分な機能ではある。
逆転時でのブレ感はキツく、びっくりするほどブレる。
ラインマネージメントにおいては、細身のロッドとの組み合わせなら多少扱いやすい。
ビギナーのレバーリール入門機には適している。

※マグシールドについて、コマーシャルでは100年使っても変わらない・・・とあるが、専門店に尋ねたところシマノハイパーフォースよりダイワのマグシールドのベアリングの固着での修理依頼が多いとのことだ。
これは前期モデルではハンドルつけ根のパッキンの歪みから水がエンジンまで侵入しておこるらしく、後期モデルではこの付け根部分もマグシールドに変更されている。
前期モデルは、洗ってはいけないモデルなのである。


                                                                               自重           巻き上げ長       ギア比       ベアリング
ハイパーフォース3000              230g          69cm            4.6            8
プレイソ2500                          300g          91cm            6.2            7
トーナメント2500                    235g          91cm            6.2           12
トーナメント3000                    255g        100cm            6.8           12